ユナイテッドヘルス・グループ (NYSE: UNH)は、
長期投資を物語る好例です。

出所:TradingView
私たちは
2023年8月に1株約492ドルで
同社を推奨銘柄リストに加えました。
株価は当初上昇していきましたが、
事態はすぐに一変します。
同社は
・医療費の上昇、
・市場予想を下回る業績
・経営体制の変化
・規制面の懸念など
大きな不確実性に直面しました。
そして、株式市場はこれらの問題が
永遠に続くかのように反応したのです。
私たちの取得価格から見ても、
株価は最終的に60%以上も下落しました。
しかし、だからと言って
調査そのものが
誤っていたわけではありません。
株価の下落は
「その企業の本当の価値」までは、
物語っていないのです。
私たちの仕事は、同社が
✔️長期的に収益力が損なわれたのか
それとも
✔️株式市場が悲観的なだけなのか
を見極めることでした。
そして、調査を続けるほどに、
私たちは後者の結論へ傾いていきました。
同社は依然として、
・米国で最も重要な医療関連企業のひとつであり
・保険事業は今も数千万人もの人々にサービスを提供
・Optum部門も堅調
だという判断でした。
私たちは問題を軽視した訳ではありません。
ただ、問題が企業全体の価値を
消し去るとは思わなかったのです。
この違いこそが、
重要な意味を持っていました。
株価が下落を続ける中でも、
私たちは『アルファ・インベスター』の
購読者に買い増しや新規購入を推奨し続けました。
この下落は長期投資家にとって、
米国を代表する優良企業を
より良い価格で買う機会だと考えたからです。
現在、株価は420ドルを超える水準まで
回復しています。
安値からはおよそ80%上昇。
私たちのポジションは、
まだ推奨時の価格を下回っていますが、
その差はすでに10%未満となっています。
そして、この一連の出来事は
次の3つの教訓を物語っています。
株式市場はしばしば、
最新のニュースが永遠に続くかのように
振る舞います。
確かに、過去同社は
・価格設定の見直し
・コスト削減、業務改善
・信頼の回復
に、取り組む必要がありました。
これを受けて、
急速に株価は下落しましたが、
一方で、事業は着々と回復しました。
株価と価値との間に
生まれたこの差こそが、
投資のチャンスとなったのです。
株価は、投資家が
その企業を今どう感じているかを
示すにすぎません。
その企業が明日、
どれだけ稼ぐかまでは、
教えてくれないのです。
確信と盲信は異なります。
自分たちが何を保有しているかを
理解し事実を検証し続けることから
確信は生まれるものです。
私たちは同社の
・競争力
・キャッシュフローの創出力
・事業規模、顧客との関係
・米国の医療制度における長期的な役割
を検証してきました。
同社が抱える問題が
一時的なものか恒久的なものか
を調べ続けたのです。
私たちの確信は、
スティーブン・ヘムズリー氏が
2025年5月にCEOへ復帰したことで
一段と強まりました。

出所: CC-PD-Mark (2026) / Ways and Means Committee of the United States Congress
同氏はかつて
2006年から2017年までCEOとして、
Optum部門を主要な事業へと
育て上げた人物です。
さらに2025年8月には、
ウォーレン・バフェット氏が
株価の底値圏だった第2四半期に、
同社株を500万株以上取得していたことが明らかになりました。
私たちは他の投資家の
判断を盲信することはありません。
それでも、
同氏が価格と価値のギャップに
同様に気づいていたことは心強い材料でした。

出所:Mark Hirschey, CC BY-SA 2.0
その後、事業には
回復の兆しが見え始めました。
同社の2026年第1四半期の
決算では
・売上高:1117億ドル
・通期の調整後1株利益見通し:17.75ドル→18.25ドルへ引き上げ
と、堅調な結果となりました。
私たちは事実に基づいて
この結果を予期していました。
だからこそ、恐怖が最高潮に
達した局面でも辛抱強く買い増しを
勧めることができたのです。
投資で最も難しいのは、
優れた企業を見つけることでは
ありません。
株価が下がった際、
自分だけが取り残された
ような感覚に耐えることです。
底値の近くで売却してしまえば、
気持ちは楽になったでしょう。
しかしそれは、
株価回復を待たずに損失を
確定させてしまう選択です。
だからこそ、私たちは、
株価ではなく事業そのものに
目を向け続けています。
株式市場のお金の流れが変わる
タイミングは私たちにはコントロール
できません。
ですが、
調査の質と判断を支える規律は、
私たち自身でコントロールできます。
同社の株価は、
まだ私たちの取得価格には
届いていません。
つまり、まだ投資できていない方は
割安価格で投資するチャンスが
今もあるということです。
底値からのこの力強い上昇は、
ひとつの重要な事実を裏づけています。
株式市場の最も悲観的な想定は、
行き過ぎだったということです。
調査こそが確信を生み、
その確信こそ、富を生み出すまで、
辛抱強く待つ力となるのです。