株価が急騰する銘柄を無視して
資産を失う投資家はほとんどいません。
むしろ、それを追いかけることでこそ
富を失うのです。
通常、華々しいリターンは
大きな興奮を生み出します。
しかし同時に、
非常に危険な罠をも生み出しかねません。
実際にジェイソン・ツヴァイク氏の分析を
見てみましょう。

出所:WSJ
同氏が挙げた事例は、
短期の急騰がいかに健全な判断力を奪うかを
示しています。
ある運用者が、誰よりも早く
魅力的なトレンドを発見します。
そして同氏のファンドは3倍に成長し、
通常では説明できないほど
素晴らしい成果を出します。
すると投資家たちは同氏を、
まるで奇跡を起こす人物のように扱い始め、
巨額の資金を投資するようになるのです。
ですが、まさにその瞬間こそが、
最も危険なときだと言えます。
実際、レオポルド・アッシェンブレナー氏も、
自身が運用するファンドで同様の例を示しました。
同ファンドはAI関連への積極的なレバレッジ投資を行い、
6月までに439%という驚異的な利益を上げたのです。
そしてピーク時の運用規模は、
およそ450億ドルにまで達していました。
凄まじいリターンを見た投資家は、
その波に乗ろうと群がりました。
しかし、事態は一転します。
7月に入るとAI関連銘柄が
急反落を起こしました。
そうするとレバレッジが損失を膨らませ、
追証や強制売却を招いたのです。
担保として預けている保証金(委託保証金)が足りなくなり、追加で入金が必要になった状態のこと
その結果、同ファンドは7月の1ヶ月間で
67%の損失を出すことになりました。
そして同ファンドは、
保有する株式の大半を売り払い、
レバレッジを解消したのです。
結局、数ヶ月で築いた華々しい利益は、
呆気ないほどの速さで消滅しました。
このような悲劇は、
市場の歴史の中で何度も繰り返されてきました。
アーク・イノベーションETF (CBOE: ARKK)は、
2020年に153%もの急騰を見せたのです。
この成功により、同ファンドには
200億ドル以上の資金が集まりました。
しかし、多くの投資家が購入したのは、
すでに目覚ましい成果が出た後のことでした。
2020年末以降、
同ファンドのパフォーマンスは
S&P500を大幅に下回っています。
ピーク付近で参入した多くの投資家は、
痛烈な損失を被ることになったのです。
また、ネットバブル期には、
ライアン・ジェイコブ氏も
まったく同じ経験をしております。
1999年、同氏のファンドは
216%の利益を記録しました。
これに反応した投資家は、
同氏の新しいファンドへ3億ドル近くを
投資しました。
しかし直後、ITバブルが崩壊したのです。
同ファンドは2000年に70%、
2001年にはさらに56%の損失を出しました。
資金を投じた投資家たちが、
愚かだったというわけではありません。
一時的な素晴らしい結果を、
再現可能な手法だと誤解してしまったのです。
しかし、そのたった一つの誤解が、
大切な財産を失うきっかけになるかもしれません。
急騰する株価は、
「過去に何が起きたか」を示すに過ぎません。
そこにどれほどのレバレッジや集中投資、
運があったかは明らかにしません。
しかし、
そうした隠れた要素が逆回転を始めれば、
昨日の勝者は明日の敗者に変わります。
レバレッジは企業の質を
高めてくれるわけではありません。
価格が予想外に動いた際、
その被害を拡大させるだけなのです。
ここでの教訓は、
イノベーションを避けるべきということ
ではありません。
米国の偉大な企業も、かつては
リスクの高い企業と見なされていました。
しかし投資家はその可能性をいち早く見抜き、
巨大な富を築いてきたのです。
真の教訓とは、
「投資」と「過去の成果を追う行為」の違いを
理解することにあります。
私たちは、
株価が上昇する企業と優れた企業を
混同することはありません。
株価の動きは目を引くかもしれませんが、
最終的に重視するのは企業の業績なのです。
私たちの4アルファアプローチは、
✔︎優れた経営陣
✔︎強固な成長見通し
✔︎持続可能な競争優位性
✔︎魅力的な価格
を重視します。

そして最後の「魅力的な価格」という条件が、
市場の熱狂や非現実的な期待から私たちを守るのです。
なぜなら、どんなに素晴らしい企業であっても、
過剰に割高となれば悲惨な結果になりかねないからです。
だからこそ、これらの指標が、
市場の熱狂と本物の成長を見分ける鍵となるでしょう。
実際、
私たちに最大の成果をもたらした銘柄は、
レバレッジを必要としませんでした。
長年の利益成長によって価値を高めたのです。
複利の効果は、初めはあまり
華々しく見えないかもしれません。
しかし、
何年もの事業成長を経て初めて、
その真価が発揮されるのです。
優れた企業は素晴らしい製品を生み出し、
顧客の愛着を得ていきます。
売上が伸び、利益率が拡大し、
経営陣は増えるキャッシュフローを再投資します。
その過程では、
半年で439%もの利益を生むことはできないでしょう。
ですが、遥かに価値ある成果をもたらしてくれます。
あなたの資産をリスクに晒すことなく、
持続的な富を築けるのです。
私たちは、奇跡を追いかけることに
興味などありません。
静かに着々と利益を生み出し続ける、
本物の企業を保有したいと考えています。