ウォール街は人々がより速く稼げる方法を、
次々と生み出し続けています。
それは同時に、
お金をより速く失う方法を
にもなり得ます。
最新の例は「パーペチュアル先物*」
と呼ばれるものです。
※満期日(決済期限)が設定されていない先物商品

出所:BigGo Finance
このレバレッジの効いた取引は、
若いトレーダーの間で今、
爆発的な人気を集めています。
✔️比較的少ない資金で大きな賭けができ
✔️24時間取引
✔️従来の先物のように期限がない
のが特徴です。
米国の規制当局は最近、
こうした商品に市場を開放しました。
カルシ社やコインベース(NASDAQ:COIN)
といった企業が
米国のトレーダー向けに提供を始めています。
そして、需要は驚くほど大きなものでした。
カルシ社は最初の一週間で、
パーペチュアル先物の取引高が10億ドルに
達したと発表。
この数字は、今日の市場について
何か重要なことを物語っている気がします。
投資家が急に忍耐強くなったわけで
はなく、むしろ
・より速い展開
・より大きなリターン
・そして即効性の満足感
を求めているようです。
さらに、SNSはこれに油を注いでいます。
①
若いトレーダーたちはスポーツカーや
豪華な旅行の写真を投稿します。
②
そして高いレバレッジ取引のおかげで、
その暮らしを実現できたと語ります。
③
「すぐに大金持ちになれる」という
メッセージは、いつも魅力的に響くものです。
しかし残念ながら、レバレッジは
同じ速さで逆方向にも働きます。
レバレッジは小さな失敗を、
大きな損失に変えるのです。
一部のパーペチュアル先物の
プラットフォームは、
資金の40倍のレバレッジを提供しています。
その意味を考えてみましょう。
1万ドルを持つトレーダーが、
約40万ドル分のポジションを持つことに
なるのです。
ポジションに逆行する
比較的小さな値動きだけで、
元本が失われてしまう可能性があります。
これは、優れた企業の株式を保有
することとは、まったく違うものです。
私たちが投資をするとき、
時間はたいてい味方になってくれます。
企業は時間と共に
・売上を伸ばし
・利益率を高め
・利益を再投資し
・自社株を買い戻す
からです。
一方でレバレッジを効かせたトレーダーは、
逆の状況に直面します。
市場が常に
ポジションに逆行して動くことが
あるので時間はむしろ敵になり得ます。
そして、パーペチュアル先物には、
自動清算という
もう一つのリスクもあります。
伝統的な投資家は、
一時的に下落しても売却せずに耐える
ことができます。
しかし高いレバレッジをかけた
トレーダーにはその余裕はないでしょう。
なぜなら、
損失が一定の値を超えると
ポジションが自動的に決済されてしまう
からです。
この場合、
いつまで我慢するかを決めるのは、
トレーダー自身ではありません。
取引プラットフォームなのです。
市場が激しく下落する局面では、
強制売りがさらなる強制売りを呼ぶことが
あります。
それは通常の市場下落を、はるか
に痛みの大きいものへと変えることも
あります。
ゆっくり豊かになる道は
決して華やかには見えない。
成功する長期投資には、どこか退屈にも
思える一面があります。
10年間、長期投資家が
一つの銘柄を保有し続ける様子は
つまらないように見えます。
それでもこの単純なプロセスこそ
が、米国の歴史を通じて莫大な富
を生み出してきました。
偉大な投資家ウォーレン・バフェット氏は、
すべての値動きを追って取引する
ことで財を築いたわけではありません。
同氏は、莫大な価値を複利で生み
出せる企業の、所有権を買い続けたのです。
今日ではこの違いが、いっそう重
要になっています。
投機があまりにも
身近になったためです。
スマートフォンひとつで、
・株式
・オプション
・暗号資産
・予測市場
・レバレッジ・デリバティブ
まで取引できる時代です。
選択肢が増えても、投資の成果が
自動的に良くなるわけではありません。
時に最大の強みとは、
自分が戦う場所を選ぶ能力
なのかもしれません。
成功する投資家は、行動と前進が
まったく別のものだと理解しています。
取引回数を増やすことは、
生産的に感じられても、
追加の富を生むとは限りません。
優れた企業を保有することは、
退屈に感じられても
莫大な富を生み出すことがあります。
これは投資家が学ぶ中でも
最も難しい教訓のひとつでしょう。
市場は常に、何かをするよう私た
ちを誘ってきます。
しかし優れた投資は、しばしば
「何もしないこと」に報いてくれ
るのです。