株式市場がどう動くかと聞かれたとき、
J.P.モルガンはこう答えました。
「変動する」
一方、メディアはどうでしょうか?
関税、AIの進展、政治的な騒動……
話題になるものなら何でも取り上げます。
しかし、私は流行や恐怖に流されて、
投資判断をすることはありません。
私には40年以上にわたって機能してきた投資アプローチがあるからです。
私たちの投資アプローチの鍵は、感情を排除することにあります。
私がトレードを始めた1983年、ダン・エイクロイドとエディ・マーフィー主演の映画『Trading Places(大逆転)』が公開されました。

出所:Famdom
この映画を観たことがない方のために説明すると、エリート投資家と詐欺師が、
大富豪の賭けによって立場を入れ替えられるという物語です。
エリート投資家と詐欺師は、最初はお互いの状況に戸惑います。
しかし、最終的には2人は協力して元の立場を取り戻し、
大富豪を出し抜いて、大金を手に入れることになります。
この映画は、トレーダーだけでなく、規制当局にも大きな影響を与えました。
2010年には、米商品先物取引委員会(CFTC)のトップが、
映画『Trading Places』にちなんだ「エディ・マーフィー・ルール」と
呼ばれる規制を議会に提案したほどです。
映画の最後のシーンに入る前、エリート投資家が詐欺師にこうアドバイスをします。
「大きく考え、前向きでいろ。弱さを見せるな。
喉元を狙え。安く買い、高く売れ。恐怖? それは他人の問題だ。」
「これまで経験したどんな出来事も、これから目にするような過酷な状況には敵わない。スーパーボウルやワールドシリーズがどれだけ大きなプレッシャーだとしても、それとは比べ物にならない。」
「ここでは、生き残るか、食い物にされるかの世界だ。取引フロアでは友情も情けも存在しない。さっきまで大豆で50万ドル稼いでいたのに、一瞬で子供の学費が消え、愛車が差し押さえられることもある。」
この言葉は、42年前に映画が公開された当時と同じように、今でも当てはまります。
なぜなら、人間の本質は変わらないからです。
良い投資アドバイスとは、
「どの銘柄を買うか」「市場をどう分析するか」ではありません。
感情をコントロールすることが重要なのです。
自信を持てない、プレッシャーに耐えられない、
損失を個人的に受け止めてしまう……
そうした状態では、市場で利益を得るのは難しいでしょう。
感情を投資から切り離せば、無駄な損失を防ぎ、
安心して眠ることができます。
そのためには、シンプルで明確な投資ルールを持つことが大切です。
私は株を買う前に、必ず次の4つの質問を自問します。
✔︎強力な追い風が吹くメガトレンド業界に属しているか?
✔︎優れた経営陣が率いているか?
✔︎財務基盤が盤石か?
✔︎魅力的な価格で取引されているか?
投資は、本当にこれだけシンプルでいいのです。
ウォール街は投資を無駄に複雑にしがちですが、
本当に見るべきポイントと単なるノイズを見極めることが重要です。
理解しやすく、財務が健全で、
自由に使えるキャッシュフローを生み出せる企業に注目してみてください。
どれだけ急成長していても、家賃も払えず、
事業の資金調達もままならない企業では意味がありません。
また、投資資金を失うリスク(企業の破綻リスク)を
極力ゼロに近づけることも重視しています。
市場では、優れた経営陣の価値が株価に反映されていないことがよくあります。
さらに、業界全体が不人気なために、
市場から見放されている企業もあります。
そんなときこそ、私は迷わず買い増します。
投資後、市場が乱高下しても、気になりません。
企業の財務が健全で、適正価格で購入していれば、
夜はぐっすり眠ることができます。
結局のところ、感情こそが最大の利益泥棒なのです。
恐怖は、他人の問題です。

〜編集部〜
感情に惑わされないためには、
強い「気質」を持つことが重要とミズラヒさんは語ります。
では、その気質を手に入れるために、
個人投資家はどうすれば良いのか?
その答えをミズラヒさんが、
一冊にまとめてくれました。