バリュー投資の父であり、ウォーレン・バフェット氏の師でもあったベンジャミン・グレアム氏は、こう語りました。投資家にとって最大の問題、そして最悪の敵は、おそらく自分自身である。出所:bloombergこれは巧妙な言い回しではありません。多くの投資家が見落としてしまう、極めて重要な真実です。その証拠ともいえる研究を、私の友人で博士号を持つウェス・グレイ氏 が見せてくれました。同氏は「アルファ・アーキテクト」という投資運用会社を率いており、データに基づく規律ある運用で知られています。元海兵隊士官であり、金融学の教授でもあった人物ですから、同氏の話にはいつも真剣に耳を傾けます。「神」でさえクビになる?グレイ氏は『Even God Would Get Fired as an Active Investor』(神でさえアクティブ運用者としてはクビになる)という論文で、ある仮説を立てました。今後5年間で最も上がるとわかっている銘柄を事前に知っている「神」のような投資家がいたら?しかも、予測や分析ではなく、本当の意味での“未来の予言”です。同氏のチームは1927年から2016年まで、NYSE・NASDAQ・AMEXの大型株500銘柄を対象にモデルを作成。毎年、その後5年間で最も上昇した株トップ50だけを選び、保有し続ける「神ポートフォリオ」をシミュレーションしました。結果は驚異的でした。年率リターンは約29%。S&P500の約3倍です。※Even God would get fired as an Active Investorのデータを元に弊社で作成「神」をクビにする理由しかし どんなに未来が見えていても、そのポートフォリオは壮絶な値下がりを何度も経験します。・大恐慌では86%の暴落・ドットコムバブル崩壊時には約40%下落・リーマンショックでも約60%の大幅下落合計で20%以上の下落が10回以上もありました。もしあなたが資産運用会社の顧客だとして、こんな大幅な下落を見せられたら…たとえ長期的には市場平均を大きく上回るとわかっていても、本当にそのまま預け続けられるでしょうか?多くの人はできません。だからこそ、「神」でさえ投資家から見限られるというわけです。私自身、約40年間にわたり資産運用に携わってきましたが、こういったことを何度も目の当たりにしました。マーケットが荒れた時、顧客が知りたがるのは「長期的な企業価値」ではなく、「今月なぜ下がったのか」という理由です。納得いく説明ができなければ、彼らは資金を引き揚げます。それが、たとえ割安になった優良株を手放すことになったとしても...短期的な痛みを避けようとする姿勢こそが、長期的なリターンを損なう最大の要因です。市場に留まる力こそ、最大の武器株式投資は、史上最も強力な資産形成の手段です。しかし、それは短期の荒波を乗り越えて長く市場にいられる人こそが、その恩恵を受けることができます。安定した利回りを求めるなら、国債を持つほうが安心でしょう。でも、本当に富を築きたいのなら偉大な企業の一部を所有し、時間を味方につけて複利を積み重ねる覚悟が必要です。バフェット氏が言うように、「どれほど才能や努力があっても、時間がかかるものはある。」短期の値動きは、ただのノイズです。未来が見える神でさえ避けられない下落がある以上、重要なのは市場に居続けること。タイミングよりも「時間をかける」ことが勝つ秘訣です。どんな荒波が来ても、コースを外れずに進み続ける。それこそが、富を築く唯一の道なのです。〜編集部〜短期的なノイズに惑わされずに、投資で長期的な富を築くために…ミズラヒさんが、自身も活用するある手法を日本の個人投資家のためにまとめてくれました。